株主名簿を整理しましょう

株主名簿を整理しましょう

横浜市青葉区の税理士、古嶋(フルシマ)です。

平成28年10月1日から「株主リスト」が登記の添付書面となりました

商業登記規則等の一部を改正する省令(平成28年法務省令第32号)が平成28年10月1日から施行され、株式会社等が、株主総会の決議を要する事項について法務局に登記申請をする場合、「株主リスト」の提出が必要になりました。この場合の「株主リスト」は、議決権数の多い上位10名の株主、又は、議決権割合が3分の2以上の株主(いずれか少ない方の株主)に関する「氏名又は名称及び住所、株式数並びに議決権数等」を記載した書面で、株主名簿に類似するもの、とされています。

株主が分散している可能性も

株主名簿が整理できていれば「株主リスト」の作成は容易ですが、場合によっては、自社で把握している以上に株主が分散している可能性もあります。

たとえば株主が死亡した場合、株は相続人に相続されますので、相続人が複数いる場合は株主が分散することになります。相続以外にも、相続税対策のために株の譲渡を行った場合や、従業員に自社の株を保有させる「従業員持株」、取引先と株の持合いを行っている場合など、株主が分散する可能性は様々です。株主の情報については法人税確定申告書の「別表二」に記載がありますが、この記載に最新の情報が反映されていない場合、どのように株主を確定すれば良いのでしょうか。

株主の確定方法

  1. 原始定款を確認する
    定款とは、会社の基本規則を定めた書類で、会社の設立当初に作成したものを特に原始定款と言います。ここには設立当初の株主が記載されていますので、地道な作業にはなりますが、この情報から株主を辿ることができます。もし手元に原始定款がない場合は、設立時に定款の認証を行った公証役場に行けば謄本を取得することができます。公証役場での保存期間は20年です。
  2. 法務局で登記添付書類を閲覧する
    設立時、法務局で登記申請を行った際の添付書類には当時の株主(発起人)の氏名と住所、引き受けた株数が記載されています。法務局での保存期間は5年ですので、最近設立された会社であればこの方法で確認することもできます。

これまであまり株主名簿を利用する機会がなかった会社も、今後は利用頻度が増えることが見込まれます。常に最新の株主情報を把握するよう努めましょう。

参考:「株主リスト」が登記の添付書面となりました|法務省