保険料と保険手数料
横浜市青葉区の税理士、古嶋(フルシマ)です。
消費税の構造についておさらい
消費税は、事業者が売上等で預かった消費税から、仕入や経費等で支払った消費税を引いて残りを国に納付することとなっております。要は、消費税は消費者から預かった分の残りが最終的には国に納付されるという仕組みです。
保険料は全額非課税
保険料は万が一の時に「保険金」を支払うという役務の提供を受ける為の金銭の支払ですから、基本的に課税取引となりますが、消費税法において限定列挙で非課税とすると規定されているため、非課税取引とされております。しかし保険料の中身は保険金の支払い等に充てる保険料と、保険代理店の代理店手数料とで構成されております。保険代理店の代理店手数料は課税取引ですが、現状の多くの保険会社は、保険料と代理店手数料を区分することなく、一括して保険料として契約しているため、課税取引を区分して特定できないということで、支払保険料の全てが非課税取引として処理されております。
従来からの問題
従来から問題となっているのは、代理店手数料を含む保険料は、全額非課税取引とされ、課税仕入として預かり消費税から控除できないにもかかわらず、保険代理店の売上は、課税売上として消費税を課税している現状は、消費税の2重取りではないのかという指摘です。
今後の問題
今後もし、保険業界として代理店手数料を明らかにするようになると、従来控除できなかった、代理店手数料に係る消費税は、控除できるようになってくると思いますが、一方、代理店手数料の金額が公表されることにより、同じ保険でも代理店により保険料が異なる等、保険業界の価格競争に混乱が生じるなど、新たな問題が出てくるかもしれません。