引当金とは
横浜市青葉区の税理士、古嶋（フルシマ）です。
引当金とは…「将来の特定の費用又は損失であって、その発生が当期以前の事象に起因し、発生の可能性が高く、かつ、その金額が合理的に見積ることができる場合には、当期の負担に属する金額を当期の費用又は損失とし、引当金に繰り入れなければならない。」と中小企業の会計に関する指針ではいっております。
主旨としては、正しい期間損益の把握と、将来のリスクの回避の為です。
引当金の種類
引当金には、賞与引当金のように法的債務（条件付債務）である引当金と修繕引当金のように法的債務でないが将来の支出に備えるための引当金があります。
＜代表的な例＞
- 退職給付引当金
退職金規定等に従って合理的な金額を見積計上します。 - 賞与引当金
賞与対象期間が当期に属し、支払が翌期になるような場合に引き当てます。 - 貸倒引当金
将来の貸倒れに備えて引き当てます。 - 製品保証引当金
製品の保証をしているメーカー等が、今期の製品の売上に対して、翌期以降に保証に要する費用や損失を見積もって計上します。 - 返品調整引当金
保証と返品の違いで、製品保証と同様の考えです。
法人税法上
会計上は、将来のリスクに対し様々な引当を要求されますが、税務上は「貸倒引当金」と「返品調整引当金」の2つしか損金算入は認めておりません。
税務上は原則、債務の確定していないものを損金としては認めません。上記2つの引当金も特別に認めているだけですので、従来認めていた｢賞与引当金｣や「退職給付引当金」のように、いつ認めないといってもおかしくありません。
実務上
会計指針に従い将来のリスクに備え引当金は計上し、税務上は自己否認するというのが理想ですが、多くの中小零細企業は税務基準で引き当てているのが現状です。
