退職金は中退共などを利用して手当てしておこう
横浜市青葉区の税理士、古嶋(フルシマ)です。
退職金とは
退職金は企業と従業員の労働契約により支払われる賃金制度の一部です。そうならば給与や賞与で払えば退職金は支払わない選択もあるでしょう。その分給与水準を高くし、月々の給与に退職金額を上乗せした前払い退職金制度にしているところもあります。但し社会保険料が上がり毎月の給与額も時間と共に当然と感じてしまい、給与を高くした意味が薄れることもあり得ます。
厚生労働省の調査(平成25年就労条件総合調査)によると、従業員30人以上の企業では75.5%が退職金制度を導入し、企業規模別にみると、1,000人以上が93.6%、300~999人が89.4%、100~299人が82.0%、30~99人が72.0%と規模が大きいほど退職金制度がある企業割合が高くなっている。
退職金制度のメリット
導入のメリットとしては、良い人材の確保のしやすさ、長期的勤務推進策、定年や早期退職の円滑化策、不況期の雇用調整、従業員の不法行為の制御、退職者の競業避止義務や守秘義務の対価として等があります。従業員側は退職後の必要費用を賄う、企業への満足度の高まり、入社時の決定理由、長期勤務がメリット、税制上の優遇措置等があります。
退職金制度のデメリット
一方デメリットとしては経営状態にかかわらず一時的に多額の支払いが生じる場合があるので、決算や資金繰りに悪影響を与えることがあります。また、運用悪化等があれば積立額のチェックも必要になります。
退職金の資金準備
複数の退職者が一度に発生すると企業にとって退職金の負担は大きくなり、多額の現金が必要になることは資金繰りを悪化させるおそれもあります。予め手当てしておくことは大切です。どこに資金をプールするかというと、先の調査では「社内準備」が64.5%と最も高く、次いで「中小企業退職金共済制度」が46.5%、「特定退職金共済制度」が7.5%、「その他」が3.9%となっています。「社内準備」は銀行と生命保険の利用があります。