収入増加のため健康保険の被扶養者から外れるとき

収入増加のため健康保険の被扶養者から外れるとき

横浜市青葉区の税理士、古嶋(フルシマ)です。

健康保険の被扶養者とは

健康保険の被扶養者とは、主として被保険者の収入により生計を維持している人をいい、被扶養者の直系尊属、配偶者(事実婚を含む)、子、孫、弟妹、兄姉、および被保険者と同居している三親等以内の親族や事実婚の配偶者の父母、子が被扶養者になることができます。

生計を維持しているとは、被保険者の収入により生活していることで、その基準としては年間収入が130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満)である事が必要です。さらに、被保険者と同一世帯の場合は被保険者の年間収入の2分の1未満であること、同一世帯でない場合は被保険者からの援助による収入額より少ないことも必要です。

配偶者控除の年収要件が150万円まで拡大でも130万円の壁は変わらない

所得税法の改正で、平成30年分の所得から配偶者控除が引き上げられることになりました。これにより給与所得だけの配偶者の場合、従来は年間収入が「103万円」まで配偶者控除が適用されていましたが、原則として「150万円」まで拡大されます。

健康保険の被扶養者でパートで働く配偶者は、税制メリットを受けるために働く時間を増やして収入を増やそうと考える場合もあるでしょう。しかし、健康保険上は被扶養者の収入要件の変更はないので、年収が130万円未満でないと被扶養者でなくなってしまいます。勤務する会社の健康保険・厚生年金保険に加入するか、自ら国民健康保険や国民年金に加入することになります。

健康保険の被扶養者から外れるとき

収入が増えて被扶養者でなくなる時期はいつの時点なのでしょうか。税法上の配偶者控除対象者は1月から12月までの1年間の所得をみますが、健康保険の被扶養者の認定は今後1年間の収入額の見込み額で判断します。したがって、パートやアルバイトの給与収入だけであれば、過去1年分の給与の合計が130万円以上となった時点で被扶養者から外れるのではなく、これから1年間で130万円以上が見込まれるようになった時点で被扶養者でなくなります。この場合の給与収入には通勤手当も含まれます。

具体的には目安ではありますが、1か月の収入が108,333円(130万円÷12か月)を常に超していれば、超えることがはっきりした時点で外す手続きをとることになります。雇用契約の変更による勤務日数や時間の増加で130万円を超えると見込まれたときは、その契約開始日が被扶養者でなくなる日となります。

 

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