売掛金の注意点
横浜市青葉区の税理士、古嶋(フルシマ)です。
決算を控えて、売掛金残高が正しいかどうかを厳密に検証する場合は、顧客先に売掛残高を照会し、間違いないことを確認してもらわなければなりません。
しかし上場企業以外でこのような処理をしている企業はまず皆無だと思います。
締め後売上は忘れずに
通常売掛残は請求書発行後、顧客先から特にクレームがこなければ、売掛として認識し、未入金の請求金額が売掛残になると思われます。
但し請求書は往々にして締め日があります。締め日が月末であれば未入金の請求書の金額が売掛残でかまいませんが、締め日が20日とか10日といった場合は締め日から月末までの売上は請求書を発行していなくても売掛残となります。
コンピューターで得意先台帳を管理している場合はどのシステムにも締め日の残高と月末の残高の両方が管理できるようにはなっているはずです。
決算日=月末とは限らない
以上の話は、通常決算日は月末と言う前提ですが、逆に締め日に合わせて、決算日を決めることもできます。例えば締め日が20日であれば、決算日は3月20日とすることもできます。
コンピューター管理で、月末残の確認が簡単になったおかげで最近はほとんど見かけませんが、以前はそういった企業も結構あったようです。
決算締切日の特例
会計的には当然に締め日以後の売上を計上すべきということになりますが、法人税基本通達には以下の特例があります。
(決算締切日)
2-6-1 法人が、商慣習その他相当の理由により、各事業年度に係る収入及び支出の計算の基礎となる決算締切日を継続してその事業年度終了の日以前おおむね10日以内の一定の日としている場合には、これを認める。
この取扱いを適用する場合は、売上と売上原価との対応(費用収益対応)関係から、当然に仕入の締め日と期末棚卸高の確定日も売上の締め日(決算締切日)に合わせる必要があります。
期ズレ調査
売掛金の相手勘定は売上です。税務調査は、まず最終期の売上の計上漏れと、仕入や外注費の在庫計上漏れがないか等、売上と売上原価の確認から始まります。
出だしでつまずかないよう売掛残高はキチンと把握しておきましょう。